荷揚げ屋はやばい?稼げる仕組みや向いている人の特徴を解説します

「荷揚げ屋ってキツい仕事なのかな?」「荷揚げ屋の危ないところを知りたいな」
このような疑問にお答えします。
僕は過去にスポットで2〜3日ほど荷揚げの仕事をやったことがありますが、建設現場で重い資材を運ぶ、非常にハードな肉体労働です。
しかし一方で、「未経験でも稼げる」「体力がつく」といったメリットもあります。
本記事では、筆者の経験を元に荷揚げ屋のリアルな仕事内容や給与事情、メリットやデメリット、向いている人の特徴などを解説します。
この記事で紹介する内容が、荷揚げ屋をしようか迷っている人の参考になれば幸いです。
荷揚げ屋の仕事内容

「荷揚げ屋」とは、建設現場でトラックから搬入された様々な建築資材を、指定された場所や各階のフロアまで人力や台車を使って運搬・配置する仕事です。
大工や内装職人などの専門技術を持った職人さんが作業しやすいように、サポートするような役割だといえるでしょう。
一見すると、単に重いものを運ぶだけの単純な力仕事に見えるかもしれません。しかし実際は、建物の構造をしっかり頭に入れ、運ぶ資材に傷をつけないよう配慮しながら、効率よく動く技術が求められます。建設プロジェクトの進行を陰で支える「縁の下の力持ち」的なポジションです。
荷揚げ屋が運ぶ資材は、多岐にわたります。代表的なものとしては、壁や天井の下地となる「石膏ボード」や、建物の骨組みとなる「木材」などが挙げられるでしょう。
また、フローリングなどの床材、さらには窓サッシや大型ガラス、システムキッチンなどの住宅設備機器を搬入することもあります。
作業現場も、一般の一戸建て住宅から高層マンション、オフィスビルなどさまざまです。荷揚げは現場の規模に応じて、複数人のチームで協力して作業を進めるのが一般的です。
荷揚げ屋はきつい仕事

荷揚げは、数ある建設現場の作業の中でも、特に肉体的な負荷が高い仕事のひとつとして知られています。
一度に運ぶ資材の重さは十数キログラムから、時には数十キログラムに及ぶこともあるでしょう。これらの資材を、肩に担いだり両手で抱えたりしながら、階段を何度も往復して上の階へと運びます。
特にエレベーターがまだ稼働していない建築途中の現場では、体力的な消耗が非常に激しくなります。仕事を始めたばかりの初心者の頃は、翌朝に全身が強烈な筋肉痛に見舞われるのが普通です。
日頃から筋トレやスポーツで体を鍛えている人であっても、最初の数日間は体が満足に動かなくなるほど消耗することも珍しくありません。
夏場は閉め切ったコンクリートの建物の中に熱気がこもり、サウナのような蒸し暑さの中で作業することになるため、熱中症を防ぐためのこまめな水分・塩分補給と、適切な休息が欠かせません。
逆に冬場は、寒さによって筋肉が硬くなりやすく、些細な不注意から大きな怪我につながりやすくなるため、入念な準備運動や防寒対策が必要になるでしょう。
このように、荷揚げ屋には自己の体調管理や入念な準備が仕事を安全に続けるために求められます。
荷揚げ屋はそこそこ稼げる

荷揚げバイトの給与は、多くの場合は日当制、または「現場」という単位での固定給が採用されています。
一般的なアルバイトの時給換算と比較すると、高めの給与水準に設定されていることが多く、会社によっては日給2万円以上稼げるところもあるでしょう。
1現場(おおむね3〜4時間程度)あたりの相場は、およそ7,000円から12,000円といったところでしょうか。現場制の給料の場合は、1日に複数の現場をこなせるようになれば、給料もその分上がっていきます。

ちなみに僕の行った会社(派遣)では日当制で、早く仕事が終わってもその日の給料は保証されていました。
会社の規定によっては、現場全体の取りまとめを行うリーダー業務などに対して各種手当が上乗せされることもあります。経験を積んで仕事が早く、丁寧に行えるようになれば、会社からの評価が高まり、基本給や手当が優遇される場合もあるでしょう。
短時間でガッツリ稼ぎたい人にとっては、魅力的なシステムといえます。
荷揚げ屋の3つのメリット
きつい仕事である荷揚げ屋ですが、以下のようなメリットもあります。
- 現場仕事の雰囲気を掴める
- 筋力・体力がつく
- シフトの融通が利きやすい
詳しく見ていきましょう。
現場仕事の雰囲気を掴める
荷揚げ屋は建築現場に入り、他の人の仕事を近くで見れるため、現場仕事の雰囲気をつかめます。
「現場系の仕事ってどんな感じだろう?」「自分に合うか心配だな」という方には、見学代わりになっていいかもしれません。
たとえば大工や塗装など、専門的な技術が必要な仕事は気軽には始めにくいですが、荷揚げ屋の仕事なら始めるのにスキルや資格などは必要ありません。
建築系の現場仕事を試してみたい人にとっては、始めやすい入口だといえるでしょう。
筋力・体力がつく
荷揚げ屋の仕事は、お金をもらいながらジムに通っているかのように体を鍛え上げられる点もメリットです。
数十キロの資材を運び続けることで、体幹をはじめ、背筋、握力などがバランスよく強化されます。
定期的に現場に入ることで、短期間で余分な体脂肪が落ち、引き締まった筋肉質の体型へと変化する人もいるでしょう。
日頃からボディメイクや筋トレに関心がある人にとっては、働きながら効果的な全身運動ができる、一石二鳥の職場環境になり得ます。
高額なジム会費を払う必要がなく、稼ぎながら身体を鍛えられる点は大きなメリットです。
シフトの融通が利きやすい
会社にもよりますが、荷揚げ屋の仕事は1週間単位でシフトを決めるところもあり、スケジュールの自由度が高いこともメリットです。
通常のアルバイトでは1ヶ月ごとにシフトを組み、休みも固定の曜日になっていることが少なくありません。
その点、荷揚げ屋の仕事では「今週は週5日で入る」「来週は1週間休みたい」など、柔軟なスケジューリングができるのです。
また、荷揚げの仕事は設定された現場を達成した時点で、その日の業務が終了します。そのため、仕事が早く終わればその分早く帰れるという時間的な効率の良さも特徴です。
朝は現場に直接向かい、仕事が終われば事務所に寄らずにそのまま解散となる「直行直帰」が基本の勤務スタイルです。
無駄な通勤時間や不要な拘束時間が少なく、プライベートの予定を立てやすい仕事だといえるでしょう。
荷揚げ屋の2つのデメリット
荷揚げ屋には、以下のデメリットも存在します。
- 怪我や事故のリスクがある
- 専門スキルが身に付かない
詳しく見ていきましょう。
ケガや事故のリスクがある
荷揚げのデメリットとして最も注意しなければいけないのが、ケガや事故のリスクです。
足元の悪い建設現場で重い資材を運ぶため、不注意から資材を足に落としてしまったり、腰を痛めたりするリスクがあります。
また、資材を抱えることで前方の視界が狭くなり、障害物にぶつかったり階段で転倒したりする可能性も考えられるでしょう。
現場ではヘルメットや安全靴の着用が徹底されていますが、何よりも作業者自身が安全への意識を高く持つことが大切です。
正しい荷物の持ち方や無理のない運搬ペースを維持し、焦らずに作業を行う安全第一の姿勢が求められます。
専門スキルが身に付かない
荷揚げ屋は始めるのに特別なスキルが必要ない一方、専門的なスキルも身に付きません。
大工や電気工事士、クレーン運転工のように、資格やスキルが必要ないためキャリアアップがしづらく、給料も上がりづらいというデメリットがあります。
もちろん建築には欠かせない仕事ですし、荷揚げが好きでこの仕事で稼いでいきたいという人はそれでもいいでしょう。
しかし、身体に負担がかかり特別なスキルも必要ないため、「体を壊すと仕事ができなくなる」、「新しく入社した若い人に代替されやすくなる」といった点は考慮しておく必要があります。
荷揚げ屋に向いている人の3つの特徴
荷揚げ屋の仕事に向いている人の特徴は、以下の3つです。
- 体を動かすのが好きな人
- 建築現場系に就職を考えている人
- 安全に動ける人
これらの特徴のある人は、デメリットを超えて、荷揚げ屋という職業でうまくいく可能性があります。
体を動かすのが好きな人
第一に、体を動かすことが苦にならない、あるいはスポーツやトレーニングが好きな人には向いているといえます。
荷揚げ屋は基本的に体を動かす仕事です。
部活動などでハードな練習に耐えてきた経験がある人にとって、荷揚げのきつさは「心地よい疲れ」と感じられるかもしれません。じっとしてデスクワークをするよりも、汗を流して体を使うことに快感を覚えるタイプには適性があるといえます。
建設業界に就職を考えている人
将来的に建築業界で働きたいと考えている学生や求職者にとっても、荷揚げ屋はおすすめです。
現場のリアルな空気感を体験できるため、自分が本当にこの業界に合っているかを見極める良い機会になります。また、現場で働く職人さんたちの動きを観察することで、将来自分が別の職種についた際にも役立つ知識が得られるでしょう。
業界への入り口として、現場の前線を体験しておくことはキャリア形成において大きなアドバンテージになります。
また、建築業界は特有の距離感の近さや人脈があり、荷揚げ屋の仕事をしているうちに、同じ建築系の仕事先や会社を紹介してもらえることもあるかもしれません。

僕は荷揚げ屋以外に普通の土木仕事等もしたことがありますが、実際に別会社から「うちの仕事やってみるか?」と打診をもらったことがあります。建築業界では割とよくある話です。
安全に動ける人
意外かもしれませんが、単に力が強いだけでなく「慎重で安全に動ける人」も荷揚げ屋に向いているといえます。
建築現場では、どれだけ荷物を早く運べても、資材をぶつけて傷をつけたり、事故を起こしたりしてはいけません。自分の限界を正しく把握し、無理な持ち方をせず、周囲の状況を常に確認できる「冷静な判断力」が求められます。
また、集団で作業することも多いため、仲間との声掛けや連携を大切にできる協調性も必要です。重いものを持っている時は視野が狭くなりがちですが、そんな時こそ冷静に「右通ります!」「足元注意!」といったコミュニケーションが取れる人は、現場で重宝されるでしょう。
力自慢の荒っぽい人よりも、丁寧で確実な仕事ができる人の方が、結果として長く活躍しやすいといえます。
荷揚げ屋で気を付けたいポイント

荷揚げ屋として働くとき、ケガ以外に気を付けなければならないのがブラックな会社に入らないことです。
建築系でありがちなのが、雇用契約が曖昧なまま入社することです。
面接も書類手続きもなしに働くことが決まり、そのままきつい現場に入らされ、相場より安い給料を渡されるということは避けたいですよね。
ブラック会社かどうかを見極めるには、まず会社が雇用保険に入っているかどうか、法人登記をしているかどうかなどを調べましょう。
会社の登記や雇用保険の加入状況は、厚生労働省の検索ページなどで調べることができます。

従業員を雇っているのに雇用保険に入っていない、また登記情報が出てこない会社は避けたほうが無難です。ほかにも、「給与や勤務条件の説明がない」「給与が手渡しで明細がない」などもブラックな会社の特徴といえます。
参考:厚生労働省|雇用保険の加入手続はきちんとなされていますか!
また、ブラックではありませんが派遣会社の荷揚げ屋も条件が悪く、仕事もきついことが多いため、単発や短期ならまだしも、長期間勤務するのであれば直接雇用を目指したほうがいいでしょう。
荷揚げ屋の将来性

AIやロボット技術が進化し、「荷揚げ屋の仕事はなくなるのではないか?」と考える方もいるかもしれませんが、すぐに荷揚げ屋の仕事がなくなることは考えにくいです。
建築現場は狭い通路や段差、置き場所の配置など複雑な要素が多く、柔軟な対応が求められます。倉庫作業のような画一的な動きならともかく、荷揚げのような複雑な動きをロボットが出来るようになるにはまだ時間がかかるでしょう。
仮に、荷揚げをロボットが出来るようになる頃には、ほとんどの仕事がロボットに代替されているはずです。
また、建築業界の人手不足も荷揚げ屋や大工といった職業の需要増加を後押ししています。
少なくとも2026年の現在においては、荷揚げ屋の仕事がなくなる心配はしばらくなさそうです。
参考:厚生労働省|建設業の概況
荷揚げバイトの体験談

実際に荷揚げバイトを経験した人の声をSNSなどで調べると、「地獄だった」「給料がいい」などの意見が出てきます。
僕が荷揚げ屋を体験したのは2013〜2014年頃ですが、もう鬼のようにキツかったですね(笑)。僕が経験してきた仕事のなかでも1位、2位を争うくらいキツい仕事でした。
もちろん僕が力仕事に向いていなかったということもあると思いますが、職業的にかなり厳しい仕事であることは間違いないでしょう。
この記事で紹介したような特徴を持つ人や、よほど「体を動かす仕事が好き!」という人でないと、正直なところ荷揚げ屋の仕事はおすすめできません。
ただ、荷揚げ屋に限りませんが、建築業界は休憩時間が曖昧だったり、多少言動が雑でも許されたりなど、なかには雰囲気のゆるい会社もあるため、人によっては働きやすい可能性もあります。
そのため、興味のある方は一日体験のような形で始めてみるのがいいかもしれません。
荷揚げ屋に関するよくある質問
荷揚げ屋について、よくある質問をまとめました。
Q. 1日に何現場も入れるのは本当ですか?
会社自体に案件があれば可能です。ひとつの現場が終わる時間や移動時間も考慮する必要がありますが、効率よく現場を回れればその分大きく稼ぐこともできるでしょう。
Q. 年齢制限はありますか?
年齢に上限はありませんが、労働基準法第62条第1項の「危険有害業務の就業制限」により、重量物を取り扱う業務には年少者に対しての制限があるため、荷揚げ屋に就けるのは基本的に18歳以上からとなります。
Q. 仕事中にケガをした場合は労災になりますか?
重量物を運搬中にケガをした場合は、基本的に労働災害の対象です。
ただし、普段から腰痛で業務との関連性がない場合などは対象外になることもあるため、実際の適用の可否は作業内容や医師の診断書などによって変わってくるでしょう。
荷揚げ屋は場合によってはいい経験になる

荷揚げ屋は相当ハードな職業ではありますが、資格や経験なしでも大きなお金を稼ぐチャンスがある仕事です。
建設業界の裏側を直に見るチャンスであり、いい職場に巡り合えば関係先の人脈も得られるかもしれません。
もしあなたが体力に自信があり、将来建設業界への就職を考えているのなら、初めの一歩として選択肢に入れるのも悪くないでしょう。
荷揚げ屋の仕事を行う際はくれぐれも無理をせず、安全対策を万全にして行うことをおすすめします。

